背伸び

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地理、歴史の初歩も知らず、手紙もろくに書けぬ手合いが高尚な本を読みたがり
はじめの数ページで飽きてしまい、別の本に移っていく。

地理、歴史の初歩をも知らず、日用の手紙を書くこともむずかしくして、みだりに高尚の書を読まんとし、開巻五、六葉を見てまた他の書を求むるは、元手なしに商売をはじめて日に業を変ずるがごとし、和漢洋の書を読めども天下国家の形勢を知らず一身一家の生計にも苦しむ者は、算盤を持たずして万屋の商売をなすがごとし。
福澤諭吉 84

日本の武士(中津藩士のち旗本)、蘭学者、著述家、啓蒙思想家、教育者。慶應義塾の創...-ウィキペディア