周囲

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一本の木に向かって、そのうちの赤い葉一つだけを見ておれば、
残りの葉は目に入らぬものです。
一つの葉に目をとらわれず、一本の木に無心に向かうなら、
数多くの葉も残らず目に見えるものです。

「文章の書き方」より
尾川正二 8

1917年、旧朝鮮に生まれる。京城帝国大学国文科卒業。広島大学大学院国文研究科修...