空しい
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対立するものなど、決して存在しない。
死といい生というも、舌を出して争いあう言葉に過ぎぬ以上、
やはりお前は、お前の生命を投げ出させるものによってしか生き得ないのだ。
死を拒否する者は、生命をも拒否する。
お前を越えるものが何もないならば、
お前が受けるものもまたない。
あるとすれば、おまえ自身から受けるものに他ならない。
だが、空しい鏡から何を引き出すというのか?
『城砦』より
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
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フランスの作家、操縦士。郵便輸送のためのパイロットとして、欧州-南米間の飛行航路...-ウィキペディア