一総会屋の足もとに巨大な洞穴が暗黒の口をひらいて広がっているのを知って、戦慄を覚えた。洞穴のなかには、日本列島とおなじ大きさの、〈我欲〉をむさぼってのたうつ怪物が棲み、その神経線維は地上のあらゆる〈権力〉と結びついて、この国土を腐らせている。

著書『破滅の美学』より
笠原和夫

笠原和夫 3

1927年5月8日 - 2002年12月12日。東京都出身の脚本家。男性。日本大学中退。海軍特別幹部練習生から様々な職を経て東映宣伝部に入る。1958年(昭和33年)からシナリオ執筆を始め、マキノ雅弘監督『日本侠客伝』シリーズ、深作欣二監督『仁義なき戦い』シリーズ(第四部まで)の脚本ほかで知られる。主に東映で、時代劇、やくざ映画の脚本を多数執筆。代表作に『博奕打ち 総長賭博』、『県警対組織暴力』、『二百三高地』、『大日本帝国』、『226』、『浪人街』など多数。著書に『映画はやくざなり』『破滅の美学』など。


寄せられたコメント(1)


    まったく日本はどうなっちまうのだ - 銘無き石碑

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