教訓を得る人は、それでよい。
しかし、歴史から学ぶことになど無関心で
ただそれを愉しむために読む人も
私にとって大切な読者であることに変わりはない。
いや、そのような人を満足させえてはじめて
真にためになる教訓を与えることも可能なのだと
信じているくらいだ。
海の都の物語 下巻冒頭 「読者に」
1981年10月 フィレンツェにて
1981年10月 フィレンツェにて
塩野七生