相手に欠点がないように思われ
何もかもうまくゆくのだったら
その人とつきあうことは当然であり
利己的に言っても価値のあることだから
別に愛などという必要はないかもしれない。
欠点のある人━━誰しも欠点を持っているのだが━━と
自分も欠点を持つ人間として関係を維持してゆく努力の中に
愛があるのではないだろうか。
「日本人とアイデンティティ」 第一章 日本人の心の深み より
河合隼雄