どんな問題についても読み手が誠実な問いをもって迫れば、
どこかできっと誠実な答えに突き当たる。それが漱石の文学だとわたしは言いたい。
ただしそのためには、読み手の側の努力や体験の積み重ねもむろん必要なのだが――。
AERA Mook 41『「漱石」がわかる。』(朝日新聞社,1998)P15
重松泰雄
重松泰雄 1
1923年生まれ。九州大学名誉教授。