「英雄論」
曹操

君は竜というものを見たことがあるか
劉備:いえございません 実在するものでしょうか
ありと見ればあり ないと見ればない
竜というものは時に大きく 時には小さくなるという 余にはそれが見える
余の言う竜とは人間のことだ 英雄のことだ
竜というものは天に昇る機が いまだ熱さぬ時は
頭を埋め爪をかくし 深淵にひっそりと身を潜め さざ波さえ立てぬ
だが ひとたび機が熱したと見るや
風を起こし雲を呼び一気に天に駆け上がるという
余は人間の英雄にその姿を見る
劉備:なるほど
さしずめ君も その潜む竜であろうな
劉備:とんでもない 私にはそのような力はございませぬ
そうかな

横山光輝『三国志 8 曹操の智謀』(潮出版社,1998)102p
三国志 (横山光輝の漫画)

三国志 (横山光輝の漫画) 212

横山光輝による日本の漫画。1971年から1986年まで、潮出版社『希望の友』『少年ワールド』『コミックトム』に連載された。単行本は全60巻(文庫版は全30巻)が潮出版社から発売されている。近年も、カジュアルワイド(全25巻)、愛蔵版(全30巻)などの形でたびたび再版されている。...-ウィキペディア


寄せられたコメント(1)


    君が私を竜に変えたんだなあ - 銘無き石碑

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