人質には、二種の使い方がある。
第一は、こちらの意向に反対するならば、手もとにいる人質を
殺す、といって脅すやり方である。
第二は、こちらの意向に反対するならば、手もとにいる人質を
旗印にした軍隊を送っての反対勢力の壊滅も辞さない、と言って脅すやり方である。
塩野七生 『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』(新潮文庫,2005)32p
塩野七生