ベルタ・フォン・ズットナー 3

1843年6月9日 - 1914年6月21日オーストリアの小説家。急進的な平和主義者で、ノーベル平和賞を受賞した最初の女性。-ウィキペディア

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何千もの人々が、同じひとつの事と同じひとりの人物を愛するとき、独特な、何千倍にも強められた献身的情熱が生まれます。これこそが、忠誠心、愛国主義、連帯感として心を高揚させるものなのです。それは実際、愛以外の何物でもありません。その力は強いがゆえに、ある者には、その愛の名のもとに要求される憎しみ―もっとも忌むべき殺意を含んだ憎しみ、すなわち戦争―が、愛ゆえの義務行為と映るのです。

(『武器を捨てよ!』上巻189頁・新日本出版社刊)

僕たちは学校で、英雄詩や英雄物語を習って、戦士になる。そして大砲の轟き、抜き身の剣が放つ閃光、兵士たちが符丁を叫び交わす声によって、自分は英雄詩や英雄物語の世界にいるのだと、僕たちは感じ始めるのだ。異常で、法の及ばない不可解な状態に突如置かれ、誰もが別の世界に移し入れられたような感覚に陥る。それはまるで、平和で市民的な安寧に包まれた凡庸な地上の生活から、壮大に悪霊共が入り乱れる地獄を見るかのようだ……

(『武器を捨てよ!』上巻217頁・新日本出版社刊)戦争賛美の「愛国心」の誘惑に惑わされてはならない。

私の軍備は防衛のため
あなたの軍備は攻撃のため
私が軍備をせざるをえないのは、あなたが軍備をするから
あなたが軍備を進めるから、わたしは軍備を進める
それでは一緒に軍備をしましょう
ええ、一緒に軍備をし続けましょう

(『武器を捨てよ!』上巻277頁・新日本出版社刊)人類はこの負のスパイラルから抜け出せるのか?