角又万作 4

18歳。寺の四男坊、出身は関西。冷静沈着な和風の肉体派だが、そのときの感情を漢詩で表すなど風情も持ち合わせる。弓道二段。花が離脱後に春チームの居住地が大洪水により壊滅。一人遭難するが、ひばりと再会。後に花や藤子達とも合流した。

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「おまえは野党か 代替案も出さんと反対だけすんのは 子供やで」

「オレは常々この国の埋葬法にギモンを持っててやね 国土がせまいからしゃーないけど」
「なんの話よ角又」

「人工の炎で焼いて壺に押し込んで 石かコンクリートの墓の中…や 人間死んだら土に還る…て言うけど 実は ほとんど誰も土に還ってへんのや 動物に食われ虫に食われバクテリアに分解されて溶けて 土に還るのが正しい循環やろ 食うだけ食うて 他の者の栄養にはならん…ちゅうのは 傲慢ちゃうか 土葬の国にしてもしっかり棺に入れてミイラ化したりするもんなー オレの理想は鳥葬なんやけど」

「オレが言いたいんは 大地に溶けて 本当に土に還った人たちは 今自然の中で一緒くたになって そのすべての中にいてるっちゅうことなんや そのへんの水の中にも 降ってくる雨の中にも 草や木の緑の中にも その露にも 土や岩や小石の中にも 風の中にさえ 死んでいった人たちはそこにいてる いつでもそこにいてるんや」

「そういう言いつたえのあるとこてな、たいていほんまになんかあったりするんや。子供を口減らしに売った、殺した、さらわれた。天狗のせいにする。洪水が多い、もしくは日照りが続く。龍のせいにする。雨乞いのため娘を生け贄に捧げる。人柱を建てる。今度はそれを世間に隠すために、近づいたらあかん…ていう場所を設ける。まつろわぬ者、敵対する者は鬼や妖怪てことにしといた。ひばり。なんかあんねん。そういうお話の中に何かを隠してる」