田中希美男 32

1947年 京都市生まれ。多摩美術大学・多摩芸術学園写真家卒業後、フリーランスフォトグラファーに。カメラ雑誌での新型カメラレポートなどでも活躍中。 人気写真ブログ「photo of the Day」(http://thisistanaka.blog66.fc2.com/)を主宰。

撮りたい気持ちを感じたらシャッターを押す

もう少し周囲の様子が見たいと第三者に思わせるような、見る側の想像力をかきたてるような写真こそ、おもしろい写真といえるのではないでしょうか。

ズームレンズの使いこなしのコツは、むやみにズームしないこと。

まずだいたいの写したい画角を決めます。そしてできるだけ自分が前後してフレーミングを決めるのです。

構図を決めるためには、いちばん見せたいもの、
撮りたいものに"的を絞る"ことが大切です。

フレーミングを決めたら「つべこべ言わずに二歩前に進め」です。

「写真は引き算だ」とよく言われます。この意味は、「余計なものは、画面から捨ててしまいなさい」、そうすればテーマがはっきりするということです。

眼で見ている光と影と、写真に撮ったときの光と影の描写には大きな違いがある

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写真の構図を決めるときは、光よりも影の方を強く意識して見つめるように

一に構図、二にピント、三、四がなくて五に露出。

自分で撮った写真の露出の善し悪しは、自分で決める、ここが大事なんです。

人数が多い少ないに関わらず、記念写真の基本ポイントは、全員の顔がきちんと写っていることです。

写っている人が一人でも、もし誰かの頭に顔が隠れてよく見えなければ、そのすべての責任は撮影した人です。

広角、絞り、ピントの三つはパンフォーカス写真のための絶対条件です。

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名所旧跡だけが旅写真ではない

写真を見て旅の思いがよみがえる。そんな旅写真を撮りたいなら、なにげない景色や人々の様子をスナップしておくことです。

堂々と撮るのが街角スナップの極意です。

最近はカメラを持って歩いているだけで、あれこれ怪しまれることもなくもないですから、こっそり隠し撮りのようなスナップはおすすめできません。

流し撮りは少しシャッタースピードを遅めにした方が効果がでます。

横方向に流し撮りするとき、カメラが上下にぶれないようにして、動く被写体をしっかりカメラで追い続けること。シャッタースピードは125分の1秒か60分の1秒ぐらいからはじめるといいでしょう。
雨が降る日にカメラを持ち出して、わざわざ撮影に出かけるという人は少ないでしょう。

でも、雨の日にしか撮れない写真もたくさんあるのです。

子どもはいつでもシャッターチャンス

子どもは普段のままを写せばよいと思います。そっぽを向いていてもいいじゃないですか。泣き顔だって、後ろ姿だって、そのほうがずっとずっと、かわいく写せることもあるはずです。

写真を「ことば」で考えるな

撮った写真を「ことば」で説明しようと思ってはいけません。理屈や解説を「ことば」で語ったら、そのときから撮った写真のオーラは消えてしまいます。

単焦点レンズの不便さが写真の腕を上げる

単焦点レンズは画角が変えられない。だからこそ、実際に体を動かして前に出たり後ろにさがったりして構図を決めなくてはなりません。
そのように試行錯誤するうちにだんだんと被写体の様子がみえてくるものです。

ズームレンズこそどんどん動いて撮れ

じっと動かないでズーミングだけで写してしまうのではなく、前後左右に動いて撮影しましょう。

逆光を構図に生かせ

ドラマチックで、力強い写真が撮りたければ逆光、反逆光ライティングを選んで撮影をしてみるといいでしょう。
光がきらめいたような描写も可能です。

写真では「影」が強調される

「光と影」を見て、それを生かして撮影することで写真は俄然おもしろくなります。
写真になると、肉眼で見ていた以上に光と影は強調されて写る、ということも知っておきましょう。

露出はまずカメラにまかせて撮ってみろ

まずは、自分が写した写真が期待した露出とは違って、「暗すぎるかな」とか「明るすぎるなあ」と感じることが大切なのです。
露出の補正はそこからがスタートです。

ブラすときは思い切りブラすことです

低速シャッタースピードを使ってブレの写真を撮影するときのポイントは、中途半端にブラさないことです。
わずかなブレで描写するよりも、ずっとダイナミックな動感表現ができます。

高速シャッターで一瞬を止めろ

超高速のシャッタースピードは動きが不規則で素早く変化する被写体ほど撮影効果が生かせます。

絞り込めばイイというものではないぞ

絞り込めばシャッタースピードが遅くなり、手ブレや被写体ブレを引き起こす原因にもなります。