シャルル・ボードレール 58

1821年4月9日 - 1867年8月31日
フランスの詩人、評論家である。...-ウィキペディア

わが心中に星ふらす
空を飲む心地ぞさるる!

「朝」のごと、彼女は眩し、
「夜」のごと、彼女は治療す。

ーそんなら金か?
ー僕はそいつを憎む、君が神を憎むように。

僕はあの雲を愛する・・・・・、遠くみ空を流れ行くあの雲を・・・・・・、素晴らしい
あの浮雲を!

大空は、ひろやかな臥所のように、しずしずと閉されて、
せっかちな人間は野獣と変る。

下等動物が羨ましくなるほどに
時の流れはのろくさい!

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月のない晩、二人して、
思いがけないベッドの上で、苦悩をなだめ合う以外。


    暗いのがお好き?私は嫌いかなあ。 - 銘無き石碑

    私はやっぱり性格が暗い人は苦手だわ。 - 銘無き石碑

退屈な季節よ!僕は君らを愛し、君らを賛美する者だ、

それなのに、今のそなたは、
四つ角のそんじょそこらの門口に
ちらばった残飯を、
拾うに夢中、

われらが罪は頑だ、われらが悔いは見せかけだ。

支那人は、猫の目で時間を読む。

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天使かと覚ゆる女に、わが恋の不滅の像に、
不滅なる祝福のあれ!

奇しき花、卓上に、かおるべし、
われらが為めに、美しき異国の空の咲かせし。

愛し合う男女の死

ばら色と神秘めく青の織りなす、その夕、
われら交わさん、絶対無二の快感を、

愛し合う男女の死

岸は素晴らしい宝石の岸、
水は不思議な魔法の流れ、

悲しく麻痺した世界の上に、
空は暗さをふらしていた。

男は、もの書くいとなみに、女は、愛のいとなみに、疲れ果てた。

僕ら二人の友情から、詩が生れ、
珍稀な花のように、「神」の方へと咲きかおるが為めに!

「神」も哀れと気づいたか、睡眠を作り給うたが、
「人間」がそれに加えた、太陽の聖なる一子、「酒」というもの!

いま、日は暮れて、夜となる。暗きかげ街を被う、
ある者に安息を、ある者に不安をば、もたらして。

幸い僕は背を向けた、地獄から来た行列に。

僕は見る、花と咲く若き日の君達の色恋の数々を。

僕は生きる、君達の過ぎた昔の、明暗の日日を。

老残悲惨の女達!わが家族!おお、同質の脳味噌よ!

沈む太陽が、真赤な傷あとで
天を血の色に染め出す頃、