が、ばらばらになった世界のなかに、ひたすら彼の天分の力によって、
新しい面ざしを彫り刻み、人々がその方に眼を向け、
それを知るように強制することができるだろうか?
さらにまた、それを知ることによって、それを愛させることができるだろうか?
これはけっして、論理家の仕事ではなく、創造する者、彫り刻む者の仕事である。
おそらく、その者のみが、おのが弁明を要せぬ大理石に挑んで、
そのなかに、愛を目覚めさせる力を刻み込むのである。
『城砦』より
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 59
1900年6月29日 - 1944年7月31日
フランスの作家、操縦士。郵便輸送のためのパイロットとして、欧州-南米間の飛行航路開拓などにも携わった。読者からは「サンテックス」の愛称で親しまれる。...-ウィキペディア