およそ悪辣極まりないことは、民衆の和合は自分たちの権勢を揺るがし、民衆の不和はその権勢を安定させる、と感じている君主たちがいることです。彼らは、虎視たんたんと戦争をたくらんでいる連中を、極悪非道な手口でそそのかして、平和に結び合っているものの仲を裂き、そして、不幸な民衆から、勝手気ままに掠めとろうとしているのです。こういう君主こそ、民衆の災厄を食いものにし、平時には国家にたいする義務をろくにはたさない極悪非人の為政者といえましょう。
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