要するにあらゆる逃げ道が塞がれていた。彼女にできることは、黙って臍を噬みながら、他の娘たちが解放されていくのを見ていることだけ。少年たちが他の娘たちの周りで蟹のようにひしめきあうのを眺めることだけ。他人のあいだに関係が結ばれ、ことが行われ、オルガズムが広がっていくのを感知することだけ。他人が悦びを誇示する傍らで自分が静かに崩壊していくのを徹底的に味わうことだけ。彼女の思春期はこんなふうに展開する運命だったし、実際こんなふうに展開した。嫉妬と欲求不満はゆっくり発酵し、これ以上ない憎悪の塊になった。
ミシェルウェルベック (2) |