A man can die but once. We owe God a death. I’ll ne'er bear a base mind. An ’t be my destiny, so; an ’t be not, so. No man’s too good to serve ’s prince, and let it go which way it will, he that dies this year is quit for the next.
人間一度は死ぬ。死ぬことで俺たちは神様に頂いた命の借りを返す。卑怯下劣な根性なんて真っ平御免さ。死ぬのが運命(さだめ)なら良し、死なないならそれも良し。王子様の為に尽くして勿体無いなんて奴はいないよ。どうとでもなるがいい、今年死ねば、来年は死ななくていいんだから。
(ヘンリー四世第二部・第三幕第二場)田舎の村に募兵の為にやって来た、飲んだくれの騎士フォールスタッフ。金の有る者たちは彼に賄賂を握らせて兵役を逃れますが、貧しい男達は容赦なく軍隊に送られます。彼らの一人が口にした台詞ですが、死の恐怖を諧謔と諦念で紛らわせようとする哀しさが伝わってきます。
ウィリアム・シェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピア 519
1564年4月26日 - 1616年4月23日
イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている...-ウィキペディア