…な、何?
お前さん、いま何と言った?
あれを…。
あの大海龍を、狩りに行くだと?
バカな。少数のハンターによる狩りを旨と
するギルドが、例外的な大戦力を投入する
ほどの相手なのだぞ!
いくらお前さんでも、今度ばかりは無茶だ。
あれを1人で狩るなど、どうしたところで…
…なに、1人ではないと?
ここへ来てから、1人で狩りをしたことなど
一度もなかったとな?
……………く、
カッハハハハハハ!
なるほど、さすがはお前さんだ。
並のハンターとは、言うことが違いおる!
狩りを行うのに欠かせないキャンプの設営、
大海龍の棲む洞穴へ行き来するための船に、
支給品の配達…。
確かに、お前さんは1人ではない。
お前さんが武器を握るとき、その後ろには
必ずお前さんを信じて待つ仲間がおる。
そうだ!
どんな苦境に立たされようと、希望と誇りを
捨てぬのが我ら海の民の身上!
悩みなど笑い声で吹き飛ばせばよいと言った
このわしが、危うく悩みごとに飲み込まれて
しまうところであった。
一番大切なことを、今になってお前さんから
教わろうとはな!
村の者には、わしから何もかもを話しておく
ことにしよう。勝算の見出せる作戦がないか
知恵を出し合ってみるぞ。
狩りの準備に必要な者だけを残して、避難も
進めねばならん。
さぁて、忙しくなるわい!
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