1971年日米繊維交渉。日本の対米黒字が膨らみ、政治問題に発展。前任の宮沢喜一通産相時代に、交渉は暗礁に乗り上げていた。 9月に渡米し、田中さんはニクソン政権のジョン・コナリー財務長官と向かい合う。繊維産業が多いテキサス州出身の大変な論客。大きな体で机をドンドンたたいて貿易不均衡を責め、「政府による思い切った規制を」と迫った
確かに繊維貿易は日本が黒字になっておる。しかし、貿易は多国間でバランスをとる話だ。そういう自由貿易論の理屈は、あなた方から教えてもらったんだ
ところが帰国直後、米国から「対敵通商法を発動し、一方的な輸入制限もあり得る」との情報が舞い込んだ
田中角栄