お前「で」じゃなく お前「が」いいんだよ
ヘビー級のトップレスラーが、ジュニアヘビー級の選手とタッグを結成してタイトル戦線に挑むことなど、「体が大きいほどいいレスラー」と考えるジャイアント馬場の全日本プロレスでは、それまで考えられなかった。しかし三沢はそんな慣例に構わず、小川を口説きにかかる。
小川にとって、三沢はプロレス入門時からの憧れの人であり、今や押しも押されぬトップレスラー。そんな三沢からの誘いに感激しながらも、躊躇する小川。
「本当に俺でいいんですか?」と恐る恐る尋ねたとき、三沢が答えたのがこの名言。
小川は「この人に着いて行こう」と心に決めたという。
その後、2人のコンビはタッグ王座を獲得。
三沢が全日本を離れて設立したプロレスリング・ノアでも、2人のタッグは健在で、ここでもタッグ王座を獲得した。
さらに、ジュニアヘビー級の選手だった小川が、なんとノアの最高峰、GHCヘビー級シングル王座を獲得。
小川は階級を超えてトップレスラーの一人として大躍進を遂げたのである。
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