「のび太の結婚前夜」
源義雄(しずかの父)

最初のおくり物はきみ(静香)がうまれてきてくれたことだ。
午前三時ごろだったよ。きみの産声が天使のラッパみたいにきこえた。
あんなに楽しい音楽はきいたことがない。
病院をでたとき、かすかに東の空が白んではいたが、頭の上はまだ一面の星空だった。
この広い宇宙の片すみに、ぼくの血をうけついだ生命がいま、うまれたんだ。
そう思うとむやみに感動しちゃって。涙がとまらなかったよ。
それからの毎日、楽しかった日、
みちたりた日びの思い出こそ、きみからの最高のおくり物だったんだよ。
少しぐらいさびしくても、思い出があたためてくれるさ。
そんなこと気にかけなくていいんだよ。

藤子・F・不二雄『ドラえもん 第25巻』(小学館,1982)187p
ドラえもん

ドラえもん 142

藤子・F・不二雄による日本の児童向けSFギャグ漫画。1969年から小学館の雑誌で連載された。日本では国民的な知名度があり、海外でも東アジアや東南アジアを中心に高い人気を誇る。-ウィキペディア


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