切腹で運命をともにする、末弟であるわずか八歳の八麿に対して
左近:見よ、弟よ! わかったか。
あまり短刀を深く押込みすぎるな。後ろに倒れたら無様だ。前にうつ伏せ、ひざを崩すな。
内記:目をカッと見開け。さもないと女の死に顔のようになる。
切っ先が腸に触れるとも、力尽きようとも、勇気を奮って倍の力で掻き切れ
著・新渡戸稲造 訳・岬龍一郎 『武士道』(PHP文庫,2005)131p
武士道