人間は、気落ちしているときにお前の責任ではないと言われると、
ついほっとして、そうなんだ、おれの責任ではなかったのだ、と思ってしまうものである。
こう思ってしまうと、再起に必要なエネルギーを自己生産することが困難になる。
ついつい、指導者の判断待ちという、消極性に溺れこんでしまうものだ。
塩野七生 『ローマ人物語11 ユリウス・カエサル ルビコン以後 [上]』(新潮文庫,2004)194p
塩野七生