中橋富士夫 108

生 1944年
日本の風景写真家。株式会社モーターマガジン社Mook撮影ガイドシリーズ「日本のデジタル風景」など33冊を責任編集している。集大成として『風景撮影74の金言』を刊行した。...-ウィキペディア

素晴しい風景写真とは、永続的な感動か、
視覚的な新鮮さで風景が映像化されているもの。

あなたは観光客なのか、写真家なのか、ということですね。
プロかアマチュアかは関係ありません。

「形と色」、「光と影」の美しさを捉えることを「映像美」という。

客観的、定番的写真には「普遍的価値」がある。
主観性、イメージ的写真には「創造的価値」がある。

すべての条件を揃える努力そのものが「撮影」なのです。

写真上達の秘訣は、たとえば「素晴しい紅葉とは何か」
という全体像の把握を優先することにある。

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撮影地の特色をスケール感で表現するのが最善。
部分を切り取る技巧は次善。

風景写真は、写真家の技巧よりも、被写体の価値が優先されます。

マイナーな素材を感動に変えるのが写真家だが、
その不可能を見抜くのも写真家だ。

写真はセンスよりも感受性が必要だ。

感動する心が、被写体を探す力になり、撮る量になります。
持って生まれたセンスではなく、感じるという
”体験”によって、写真家は磨きあげられるのです。

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風景写真では、曇天・雨天の白い空を構図に入れない。
例外は「稜線隠しの術」。

稜線隠し:山の稜線を霧で隠して撮影する技巧。

ひとりよがりではなく、作品は説得力で成立する。

自分の写真は、見る人を納得させる、
説得力を持っているかどうか、客観的に検証することです。

ひとりよがりと独自性は別物です。
ひとりよがりは撮影者本人のみが満足し、
独自性は撮影者の斬新なアイディアや工夫に賛同が生じることです。

撮影は遠目より攻めるを先手必勝とする。

東向きは満月と満月の前日、西向きは満月と満月の翌日に。

一番いいライティングになる時間を予測し、
その時間に撮る努力が傑作を生む。

自然相手の撮影は一期一会だから、
そのときの出会いを撮ればいいという考え方もあります。
が、いい被写体を最高の条件で撮ることこそ
風景写真の基本だし、最高の風景写真だと思っています。

比較こそ発展の源。自分の作品にのみ惚れ込んでいるのは、
超一流の写真家か、三流の自称写真家のどちらかである。

感動して撮るのだが、何に感動するかが問題だ。

霧には白霧、青霧、赤霧の3種類があり。

一期一会と言って満足する彼。捲土重来と再訪を期す執念の我。

行き当たりばったりで撮った写真、結果が伴わない写真を、
一期一会と言ってはいけないと思います。

広角レンズと望遠レンズのシャッターチャンスを見極めよ。