私が己を自負する唯一の理由は、20歳を迎える非常に早い段階で、人は子供を産むべきではないと悟ったからだ。結婚、家族、そしてすべての社会慣習に対する私の嫌悪感は、これに依る。自分の欠点を誰かに継承させること、自分が経験した同じ経験を誰かにさせること、自分よりも過酷かもしれない十字架の道に誰かを強制することは、犯罪だ。不幸と苦痛を継承する子に人生を与えることには同意できない。すべての親は無責任であり、殺人犯である。生殖は獣にのみ在るべきだ。

カイエ 1957-1972
エミール・シオラン

エミール・シオラン 11

1911年4月8日 - 1995年6月20日
ルーマニアの作家・思想家。若年期のエクスタシー経験と、メランコリー、鬱、不眠など、生涯にわたる精神的苦悩をもとに特異なニヒリズム的思索を展開した。…-ウィキペディア


寄せられたコメント(4)


    そんなこと考えたことがあったな - 銘無き石碑

    親ガチャを嘆くか!いい大人なんだから現状を打破して創造的に生きればいいじゃないか。 - 銘無き石碑

    不幸な人生しか知らない人の台詞かなあ。 - 銘無き石碑

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    シオランってそんなに不幸な人生送ってないですよ。自分でも認めるほど幸福な幼少期過ごしてるし、友人にも恵まれてたし、理解ある伴侶と50年も暮らしたのち84歳で亡くなってます。だからこその説得力です。 - 銘無き石碑

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