Nothing will come of nothing.
無からは何も出ぬ。
(『リア王』第一幕第一場)財産目当ての姉娘たちの見せかけだけの「愛の言葉」に騙されて、莫大な財産分与を約束してしまったリア王。最愛の末娘コーディリアには、姉娘たち以上の優しい言葉を期待します。「お前はどれほどわしに孝養をつくしてくれるか」と問いますが、真心から父親を愛し、姉娘たちの下心を見抜いているコーディリアは「何もありません」と答えます。愛娘の思いがけない言葉に呆然としたリア王の台詞。本当に「無」であるのは、愛情を履き違えた彼の心であることが分かります。真の愛情は金や物には変えられないのです。
ウィリアム・シェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピア 519
1564年4月26日 - 1616年4月23日
イングランドの劇作家、詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、最も優れた英文学の作家とも言われている。また彼ののこした膨大な著作は、初期近代英語の実態を知る上での貴重な言語学的資料ともなっている...-ウィキペディア