軍人は小児に近いものである。英雄らしい身ぶりを喜んだり、
いわゆる光栄を好んだりするのは今さらここに言う必要は無い。
機械的訓練を貴んだり、
動物的勇気を重んじたりするのも小学校にのみ見うる現象である。
殺戮をなんとも思わぬなどはいっそう小児と選ぶところはない。
ことに小児と似ているのは喇叭や軍歌に鼓舞されれば、
なんのために戦うかも問わず、欣然と敵に当たることである。
(引用は1984年12月20日発行版に拠る)
戦争 (1610) |