私の中に私を見てる枝雀がいて、
これが私になかなかオーケーを出してくれなかったんです。
それがこのごろはだいぶオーケーに近づいてきた。
見ててください。もうじき自分の落語を完成させます。
特に晩年は新しい会に若手以上に意欲を燃やし、
上記の言葉と、
「一分でも笑いがとぎれると我慢ができない」
といった。
ところが97年1月頃、
桂小米時代よりも重い鬱にかかり、
99年3月13日夜、
突然自殺をはかり、窒息状態で病院に運び込まれ、
4月19日午前3時2分、
心不全で死去した。
昏睡の間、
不調の時の暗い顔ではなく、
規則正しい寝息を立て、
すべてを満足しきったような穏やかな顔をしていたという。