新聞がいくつかの実例を社説で取り上げた。その一つは、
ある中学教師が、喫煙しているのが見つかった女生徒の家に行き、
その子に、切腹して死ねばよいと言ったあと、
床に土下座して謝らせ頭を蹴ったという事件である。
新聞で報道されるよりもっと多くの事件が、調査によって明るみに出たことからも、
学校での体罰は日常化していると、この社説は結論した。
当局の調査が明らかにしたのは、
他の子供とどこか違う子を、先頭に立って集団で制裁する教師が多いことや、
不文律に違反した生徒を除け者にするのにも教師が
しばしば同意を与えていたということである。
周囲に自分を合わせることは日本の社会では高く評価されるが、
『いじめ』が同調を強いる目的でおこなわれるのは許されない、と結論されている。
臨教審は、新聞社代表との会談で、
この問題は日本社会全体の秩序の乱れを反映しているとまで言いきった。
軽い(時としてそれほど軽くない)形の威嚇は、
社会における権力のヒエラルキーを維持するのに役立つと考えていることは、
普段はおくびにも出さない彼らなのだが、思わず本音を吐いてしまったようだ。
生徒にけしかけて弱い者いじめをさせる教師は、
まさしく『システム』がいかに機能するかを示す一つの例といえる。
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