ヒトの身体構造は、水の中では他の陸生哺乳類より圧倒的に優れているのである。
まず、鼻の形が違う。
他の類人猿は例外なく鼻孔が上を向き、呼吸するのに適しているのに対し、
ヒトは鼻梁を細く鼻孔も細くして、さらに下に向けている。
よく見ると鼻翼もついていて、そこには筋肉もある。
これは元来、水に対して開閉できるようになっていたからである。
全体の形においても鼻孔においても細くて高い鼻は、
いまでも我々に美しいと思わせる。
これは、進化した形のほうが美しいと思わせる「共振」の感覚がなせる業である。
美しいと思える方向がヒトの快感を高める方向であり、
快感を共有する方向が進化の方向になるからだ。
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