日本軍隊においては、人間の本性たる自由を抑えることを修業すれど、
謂く、そして自由性をある程度抑えることができると、
修養ができた、軍人精神が入ったと思い、誇らしく思う。
およそこれほど愚かなものはない。
人間の本性たる自分を抑えよう抑えようと努力する。
何たるかの浪費ぞ。自由性は如何にしても抑えることはできぬ。
抑えたと自分で思うても、軍人精神が入ったと思うても、
それは単に表面のみのことである。
心の底には更に強烈な自由が流れていることは疑いない。
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