このようなシステムがうまくいくのは、ひとえに、
日本の子供たちが我慢しているからであろう。
また、子供たちがこれほどまで親のいいなりになるのは、
日本の子供と母親の関係がわからなければ理解できない。
日本の典型的な子育てでは、
世の中はどう機能するかという普遍的な成り立ちを教えるのではなく、
子供の気持ちを操作することによって教えることが多い。
したがって、たいていの場合、子供は、母親の顔色を見て善悪を見分けるようになる。
つまり、教育ママは自分の子供に強い罪の意識をうえつけることができるので、
それを彼女は、子供の勉強に拍車をかける手段に使えるわけである。
入試の悩みや失敗が原因と思われる自殺が新聞などで大きく取り上げられ、
学齢期の子供の死の主因が受験地獄であるかのような印象を与えるが、
それは正確ではない。しかし、子供の人格形成上に与えるゆがみ、
親子関係のトラブルなどが、慢性的な試験不安によって悪化することはたしかだ。
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