僕は自分の勝手に作りだした人々や
世界をあとに放りだして行ってしまうわけにはいかないんだ。
君には悪いと思うよ。本当に悪いと思うし、君と別れるのはつらい。
でも僕は自分のやったことの責任を果たさなくちゃならないんだ。
ここは僕自身の世界なんだ。
僕は僕自身を囲む壁で、川は僕自身の中を流れる川で、煙は僕自身を焼く煙なんだ。
小説 (231) 村上春樹 (37) |