少女に偏愛される「もの」や「こと」など特殊なジャンルたちは、
少年や大人たち一般のそれらに比して、よりよく社会文化の深層を照らし出し、
秩序社会の裏側に住みつく度し難いものたちを指し示すものである。
なぜなら、社会的存在としての少女たちは体制的秩序に十分に組み込まれてはいず、
いまだ秩序社会のなかに責任ある位置を与えられてはいない。
それゆえに、彼女たちは、
宙吊りの囲い地たる「少女時代」に無責任・無目的的に滞在することを許され、
建前としての制度的言説で自信を装う必要がないからである。
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