一度もベッドをともにしていない男というのは、女にとってはなんとも不安な存在だ。
なぜなら、どの辺まで無理を言ってかまわないかを、計りようがないからである
男女関係の距離を計る物指しを、女はベッドで手に入れる。
手に入れてはじめて、男は「不安な存在」でなくなるのだろう。
塩野七生『人びとのかたち』(新潮社,1997)49p
塩野七生
前半は、誰かが書いた一文