「…しかしそれよりまえに文明の皮を剥かなくっちゃ、いけない」
「皮が厚いからなかなか骨が折れるだろう」と碌さんは水瓜のような事を言う。
「折れてもなんでも剥くのさ。奇麗な顔をして、下卑たことばかりやってる。それも金のない奴だと、自分だけで済むのだが、身分がいいと困る。下卑た根性を社会全体に蔓延させるからね。たいへんな害毒だ。しかも身分がよかったり、金があったりするものに、よくこういう性根の悪い奴があるものだ」

『草枕・二百十日』(角川文庫版182頁)
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夏目漱石 名言数 38

1867年2月9日 - 1916年12月9日
日本の小説家、評論家、英文学者。本名、夏目 金之助(なつめ きんのすけ)。江戸の牛込馬場下横町(現在の東京都新宿区喜久井町)出身。俳号は愚陀仏。 大学時代に正岡子規と出会い、俳句を学ぶ。帝国大学(後の東京帝国大学、現在の東京大学)英文科卒業後、松山で愛媛県尋常中学校教師、熊本で第五高等学校教授などを務めた後...-ウィキペディア

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