国家の権威とか、安全保障や社会秩序などという空虚な概念は
本気の生存競争における精神的支柱としてはもろすぎる。
ヒトラーは主に共産主義者とユダヤ人を狂信的な人々とみなしていた。
共産主義者は国際的連帯を唱えるなどして国を弱くする、
ユダヤ人は自らの民族の利益だけを考えている(社会の多数派であるドイツ人は愚直にも国際協調やら社会全体の利益を考慮しているのに!)、
とヒトラーは考えた。
今までの政府が彼らを弾圧しても徹底できずに、彼らの勢力は健在かむしろ伸びていったのは、
経済的利益や社会の安全といった命を賭けるに値しない
弱い動機のために失敗したのだ、としている。
確固たる信念の裏付けがなかったからだと。
そこでドイツ人が持つべきだとヒトラーが提案する信念は、
この世は民族同士の仁義なき戦場であるという世界観と、
だから自らの民族の利益だけを考えよ、ということである。
この信念はヒトラーの目に映ったユダヤ人の姿に似ている、かもしれない。
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