産經新聞21年2月15日「昭和正論座」・「各論賛成,総論反対の提唱」会田雄次著より。
(前略)私たちは,いつも心の中で自分の利益,つまり各論を,何とかうまく正反対の総論,つまり社会正義の形,いいかえれば本音にうまくたてまえの衣を着せようと狙っている国民ではないかということである。
それなら,誰でも,どこの国民でも誰でも同じことだろうと読者は考えるかもしれない。(中略)。そういう傾向は確かである。しかし,日本の場合はとくに明らかな特徴があり,それが目立ちすぎるのだ。
その特徴とは,第一には各論を一挙に総論に短絡させるということ,第二に,その短絡性,つまり論理不足を埋めるために情緒的な道義をぬりこめるということである。そして第三には,何も総論に持ち込む必要がない各論にも,やたらと大義名分を主張することだ。小さな信義ににこだわって大義を忘失することは誰でも落ちこみやすい陥せいだが,小我はもちろんのこと小節を大義化することだって何ともいやらしい。
(後略)

掲載者の「視点」によると,今になって「郵政改革は反対だった」と漏らした政治家のことがきっかけで,改めてうなってしまった,とある。私も会田先生のお考えに大賛成。
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主張 (25) 総論 (1) 各論 (1) 社会正義 (1)

会田雄次 名言数 6

1916年3月5日 - 1997年9月17日
日本の歴史学者、京都大学名誉教授。保守派の論客として知られた。 ルース・ベネディクトの日本論を批判した。...-ウィキペディア

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