戦争の名言

旧海軍少尉　回天特別攻撃隊昭和20年8月11日回天にて特攻戦死。享年25歳。

日々お世話様です。いつもホームページ拝見させてもらってます。今回念願叶って自費出版の運びとなりました。10月中旬より各書店にて販売してます。若き日の神楽師の物語でタイトルは「お神楽初恋巡演記」です。いち早く岩手県立美術館ライブラリー＆書庫で配架になりました。また情報誌悠悠そしてFM岩手「岩手の本棚」でも紹介されました。詳しくはblogとりら（http://torira.exblog.jp/)神楽民族芸術見聞（http://okuderazeki.at.webry.info/)参照願います。是非お手に取り昭和の郷愁を蘇えらせて欲しいと思います。 - 神楽童子 2009-11-21 11:14:49 UTC

戦争

矢の如く行きて帰えらぬ身にしあれど心はかへる父母います故山

若鷲は南の空に飛び立ちて還るねぐらは靖國の森

きびしかる葦の瀬川の水の音と皇子(みこ)すらさへや嘆き給ひぬ

大きなる日の本の生命(いのち)思ひつつ今日も小窓の夏雲を見し

いつしかも秋は來にけりうらさびし獄舎(ひとや)の庭は早や虫鳴くを

無窮なる生命(いのち)に通ふ吾が呼吸(いき)の
温かきかも涙流るる

木枯らしの風遠鳴りて更(ふ)くる夜は囚獄(ひとや)に靜けく生く道思ふも

高光る帝(みかど)の守り人なしとそゞるに思へば涙落ち來も

賊と呼ばれいや果てにける命らの悲しき道をひたゆくわれは

ほの暗きともしびの下涙しぬ
日頃きほへどわが貧しきに

このいのち悲しびおもふさむざむと
大わだつみにかゝる弓張

身はかろく務めの重きを思ふとき今は敵艦にたゞ体当り

故郷を遠くはなれて思ふかな我がたらちねは如何におはすと

元氣なる我が父見たる喜びは山にたとへん海にたとへん

巣立たる我を思ひて神參る母の心のすが――(すが)しさよ

鞍馬なる山を登りて母と我しづかに下る清き坂道

わづかなる努力は君のためなるぞ
寸暇を惜しみ務め弟

死を決して南の海に散らむとす
清き心を誰か知るらむ

日の本の生命(いのち)の息吹き温かに胸包む今日吾死なむとす

日の本の生命(いのち)に帰る喜びに打震ふなり賤(しず)が此の身も

益良雄は今や捕はる益良雄の悲しき願ひ遂げも得ずして

大きなる御國(みくに)の祈り破れしは我が忠心(まめごころ)足らざりしのみ

夏は來ぬ遠山脈(とほやまなみ)の青々と霞めるはてに白き雲見ゆ

青草の青きがうらに息づけば我が若き日はなべて恋ほしも

遠つ人こころにもちて夏山の晝たくる路こえて來にけり