「いい質問だ。あたしはね、いーたん。奇を衒ったり意表をついたりするのが大嫌いなんだよ。ベッタベタにありふれた、女のために男が命をかけるような、そんな物語が好きなのさ。お約束の展開、王道のストーリー、どっかで聞いたことのある登場人物に、誰もが知ってる敵役。使い古された正義の味方にありふれた勧善懲悪、熱血馬鹿に理屈馬鹿。ライバル同士の友情にお涙頂戴のハッピーエンド。そういうのがほんっとうに大好きなんだ」
「そ。意外性なんて必要ない、驚きなんて必要ない。仕掛けは陳腐(チープトリック)で構わない……。王者には王道こそが相応しいんだ。奇道や奇策は所詮道化の役回りだろ。そうは思わないかい?ん?」

人類最強の哀川潤の好きな小説のジャンル。
哀川潤


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