いいや、主は襤褸のようにうす汚い人間しか探し求められなかった。…
魅力のあるもの、美しいものに心ひかれるなら、それは誰にだってできることだった。
そんなものは愛ではなかった。
襤褸のようになった人間と人生を棄てぬことが愛だった。
沈黙
沈黙 1
1966年に発表された遠藤周作の小説。